アメリカの大学に入学する
アメリカの大学の種類
アメリカには2,828校の4年制大学と、1,485校の短期大学(2年制)の合わせて4,313校があります。その内訳は4年制私立大学が2,078校、4年制公立大学が750校、公立短大が876校、私立短大が609校です。(米教育省2018年調べ)。
アメリカの私立大学(4年制)には、北東部の「アイビーリーグ」(ブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、ハーバード大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、イェール大学)やMIT(マサチューセッツ工科大学)、西海岸のスタンフォード大学やカリフォルニア工科大学など、世界的に有名な超難関大学から地方の私立大学まで難易度には大きな幅があります。
州立大学(4年制)にも有名校は多く、名門校ほど入学の難易度は高くなります。カリフォルニア州を代表する名門州立大学で1868年に創立されたUCバークレーや、ハーバード大学に次ぐ全米で2番目に古い1698年創立のカレッジ・オブ・ウィリアム&メアリー(バージニア州)、1855年に創立し「ペン・ステート」の愛称で知られるペンシルベニア州立大学、シアトルにある1861年創立のワシントン州立大学、1883年創立のテキサス大学オースティン校などの名門と呼ばれる州立大学から、学生数の少ない小規模な公立大学まで様々です。
私立、公立のどちらにもカレッジと呼ばれる2年制の短期大学があります。公立校はコミュニティ・カレッジと呼ばれ、地域の住民なら誰でも入学できます。
アメリカの私立大学と公立大学
名門の私立大学と公立大学(4年制)を比較した際、最も異なるのが規模と学費。私立大学よりも州立大学の方が規模が大きく、学費が少し安いのが一般的です。私立と異なり、州立大学は各州民の税金で運営されているため、州民の入学が優先されます。
コミュニティ・カレッジ(2年制短期大学)は、州立や市立の4年制大学よりも入学基準が低く、学費も安いため、アメリカではまずカレッジに入学して単位を取得後、4年制大学に編入する方法を取る学生が大勢います。
4年制大学を卒業すれば「学士号」(Bachelor)、コミュニティーカレッジを卒業すれば「準学士号」(Associate)が授与されます。
アメリカの大学の出願時期
アメリカの大学の多くはセメスター制と呼ばれる二期制で、9月~12月の「秋学期」と1月~5月の「春学期」が基本。オプションとして夏休み中に用意される「夏学期」もあり、早く卒業したい学生は積極的に夏学期を受講します。
通常、入学は9月。そのため多くの大学がその年の 1~3月を出願期限とし、早い大学は前年11月に期限を設けます。どんなに遅くとも5~6月には出願を終えます。アメリカの大学には日本の大学のような「一斉入試」はありません。期日までに必要な書類を提出して審査を受け、3月〜5月に合否が出ます。
アメリカの大学入学の出願に必要な書類とは?
志望する大学によって異なりますが、一般的には出願時に以下の書類の提出が求められます。
- 願書
- 最終学校(高校・大学)の成績
- エッセイ(自己アピールの作文)
- 推薦状2通
- TOEFLテスト、SATなどのスコア表
- 上記に加えて、大学によっては面接(動画ファイルの提出が求められることも)
アメリカの高校の卒業証書や高校が提出する卒業予定証明書を所持している学生は出願時にTOEFLテスト(Test of English as a Foreign Language)の成績の提出等は免除されることが一般的です。高校の成績も、日本の高校のものをアメリカの方法にトランスファーする学生よりも圧倒的に有利です。
コミュニティ・カレッジへの入学にも成績証明書の提出が必要ですが、4年制大学と異なり、成績そのものは関係ありません。アメリカの高校を卒業していれば誰でも入学できます。アメリカの高校を卒業していない場合には、TOEFLテストのスコアの提出が必須で、基準点に満たない場合には、ESL(English as Second Language)の科目を先に履修しなければ授業は受講できません。
SATとは?
アメリカでは日本のような入学試験はありませんが、その代わりに「SAT」という民間の試験を利用します。毎年アメリカでは、約200万人の学生がSATを受験しますが、その中心になるのがSATリーズニング・テスト(SAT Reasoning Test)。科目は国語(英語)の読み書きと数学で、これまで勉強してきた能力を計ると共にアメリカの大学教育に耐えうるかどうかを見極めるという目的のテストです。11年生(ジュニア)または12年生(シニア)の年に受けるのが一般的です。
受験する大学によっては、国語、歴史、数学、理科、外国語の能力を示すSATサブジェクト・テスト(SAT Subject Test)の受験も必要になります。SATの他にACT(American College Testing)と呼ばれるテストもありますが、大学によって要求される科目が異なるので、どのテストが必要なのかを調べてから受験しましょう。