アメリカ教育基礎知識
根本的に異なる、アメリカの教育システム
アメリカにおける「学年」の数え方
アメリカと日本では、教育システムが大きく異なります。例えば日本では「6(小学校)+3(中学)+3(高校)=12年」が基本ですが、アメリカの場合は小・中・高12年間の分け方が、州や地域によって異なります。ある地域では小学校が5年生で終わるのに、ある地域では小学校は6年生まであるなど、まちまちです。
各学年を表すにはグレード(Grade)という単語を使います。日本の小学校1年~高校3年にあたる12年間が、グレード1~12に相当します。一般的にはグレード9~12を高校と区分することが多く、高校は通常ハイスクール(High School)やセカンダリー・スクール(Secondary School)と呼ばれます。
高校4年間は学年ごとに呼び名があり、グレード9をフレッシュマン(Freshman)、10をソフォモア(Sophomore)、11をジュニア(Junior)、12をシニア(Senior)と呼びます。
日米の違いは、下記の表のようになります。
アメリカでの進学はフレキシブル
また、日本は「年齢ごとに決められた学校、学年に行く」というのが常識ですが、アメリカの場合は子供の成長に合わせて、学年を1年早めたり、遅らせたりする人も少なくありません。
少しでも良い大学にいくために、高校の卒業を学生が自分の意思で一年遅らせて良い成績を収められるようにすること等もあります。
学校選びのスタイルにも多様性が
学校種別についても、公立校、私立校のほか、自宅や地域の任意少数グループによる学習を基本に教育課程を修了させたい人たちが選択する「ホーム・スクール」や、保護者、地域の有志などが教員やカリキュラムの選定を行い、公的機関認可の元で運営する「チャータースクール」といったオプションもあります。
なかでもアメリカでは、オンライン・スクールを活用して、ホーム・スクールを実践する学生が年々増えつつあります。ホームスクールは国への登録の義務がないため、正確な数は把握し難いですが、現在全米で推定150万人を超える子どもたちが、この方式で学んでいると言われています。特に新型コロナウイルスによる学校閉鎖を経験したアメリカ社会では、子供の個性や成長のスピードにカスタマイズしやすいオンライン教育の良さが見直されています。